ASD長女(13)|クリエイティブ文化展にアート作品を出展

ご訪問くださりありがとうござます。

もりー
もりー

自閉症スペクトラム姉妹の母、ホームスクーラーのもりーです。

先日長女(13)が、東京スカイツリーのイベントスペースで開催されたクリエイティブ文化展というイベントに、作品を出展させていただきました。

本人にとっても家族にとっても節目となった、とても大きなイベントでした。

というわけで今回は、イベント参加経緯や過程について書いていきます。

自閉症スペクトラム長女|クリエイティブ文化展に作品を出展した経緯

きっかけはずばり!

私が毎朝おしゃべりしている音声プラットフォームのstand.fm。

今回のイベントを主催された方も、stand.fmでお話をされていらっしゃる方でした。

早いはなし、

この方のイベントならぜひ、お金を払ってでも娘の作品を出展したいと思った

というわけです。

もちろん!

私が勝手に出展を決めたわけではありません。

私が実際に口を出したのは、娘に提案を投げかけるところまでです。

肝心なところは本人の意思にまかせました。

「作品を出してみたい」とあっさり決定

私が提案した時に少しは考えたようですが、本人の中にほとんど迷いはなかったようでした。

なんなら、

挑戦したい

と、頑なだったようにさえも感じました。

長女は、絵を描くことや粘土などのアート活動が大好きです。

それは、月に1回のペースでアートの先生に出張して頂き、家庭では教えられないことを教わっているほど。

そんな長女ですが、これまでは特に目標を掲げたりすることなく、創作活動を続けてきました。

今回のイベントは、

本人が目標を掲げ、ほとんどひとりで目標に向かって製作をする初めての経験

となったわけです。

産みの苦しみ|コツコツと試行錯誤を続けた日々

こんな調子で、出展はあっさりと決まりました。

しかし、さて、どうしよう・・・?

出展が決まったものの、長女は「どんな作品を作るか」という壁に、早速ぶつかることとなりました。

サイズは四つ切でいこう!と、それだけは決めたものの、その先に進んでいくのがなかなかむつかしい。。。

というわけで、「まずはとにかく好きなように描いてみたら?」と、私は提案しました。

母

とは言え、娘にとって自由すぎるもの難しいのよね。

・・・

こんなモヤが晴れない数日を過ごしていると、私があることを思いつきました。

それは、

小さなサイズにカットした画用紙に、色々な技法を用いて模様をつけていく方法

です。

これは以前、アートの先生から習った技法です。

なぜこの方法を思いついたのか?って、

この方法なら失敗間違い固執せずに済むから

です。

もう少し噛み砕いて説明すると、

  • 大きな画用紙1枚と向き合って、1つの大作を作る
  • 小さな画用紙1枚に、1回の創作活動の全力を注ぐ×12回繰り返す

どちらの方が取り組みやすいか?ということです。

娘の場合は明らかに後者。

そんな娘に対して私が投げかけた提案は、

いくつも作った小さな作品をコラージュにして、四つ切画用紙サイズのひとつの作品に仕上げよう

というものでした。

もっとも初期段階では、このように私が紙をカットして、娘と一緒に試行錯誤をしました。

それから、絵の具と様々な材料を用いて、長女は自由に模様をつけていきました。

こうして手を動かしているうちに、

長女のなかで「動物の模様はどうかな?」とひらめいた

のでした。

母

それはいいね!

ということで。

そこからは完全に、長女がひとりで作品作りに没頭していきました。

ヒョウ柄

iPadで写真を見ながら模様を描いていく。

いちばん手前▶くじゃくの羽

愛犬だけは全身を描いた。

きりん・うし・しまうま・愛犬

画用紙のサイズを“八つ切りの半分”に統一した理由

長女の描き方を見ていると、紙の大きが表現ののびやかさに影響するということがわかりました。

具体的には、

絵が萎縮して見える

ので、なんだかもったいないような気がしたのです。

加えて、いずれ絵をカットしてコラージュすることになっていたので、それであれば「全ての用紙を八つ切の半分の大きさに統一したらどうか?」と、私の方から提案したのでした。

本人も「そうだね!」とあっさり納得。

これが画用紙のサイズを決めた一連の流れです。

八つ切サイズの画用紙であれば、本人が自分のペースでカットしたい時にする、ということも可能です。

ここについては、後からわかった副産物でしたが

紆余曲折を経て、数ある方法の中から、自分が取り組みやすい方法に絞っていきました。

ところで。分離不安はいずこへ?

ここで分離不安について触れておきます。

自閉症スペクトラムの大きな特性のひとつとして、長女には強い分離不安が長らくありました。

それが今回の作品作りをきっかけに、随分と軽くなったことを痛感した母。

なぜなら、

作品作り別室で、ひとりコツコツ行っていたから

です。

以前だったら考えられないことでした。

これについては

  • いつのまにか成長したとも言えるし、
  • いつのまにか特定の強い困り感が軽減したとも言えるのかもしれません。

いずれにしても、長女が夢中になれた時間は、本人にとってはかけがえのない経験になったと思っています。

トリミングと額装

額装のことで私が悩んでいたので、アートの先生に相談にのっていただくことにしました。

※つまり臨時で来て頂いた

まずは額装から。

先生から様々な額装の方法を教えてもらい知識を軽く頭に入れてから、先生と一緒にホームセンターへ出かけました。

長女が選んだのは、既製品の額

まずは資材コーナーに行き、木や段ボールなど、様々な材料に触れながら見て回りました。

ついでに私は、発送に必要な梱包材と大きなダンボール板を入手。

そうしていると長女は、

普通の額はないの?(的なことを)

と。

むむむ?と思い長女の話を聞いてみると、長女は既製品の額を希望しているということがわかりました。

おそらく長女にとってはその方が完成の見通しが立てやすかったのだと思います。

というわけで、呆気なく四つ切サイズの額を購入して自宅へ。

ここからは、絵の切り取り方のレクチャーの様子です。

アートの先生直伝!トリミングの方法

私のつたない言語化能力で背伸びをして、この素晴らしい方法を私がここでお伝えすることは、あえて控えておくことにします。。

だから写真で。

実践編

こうして見ると、思わず「お~~~~!」と声が出てしまうほどに、イメージがしやすくなります。

感動をおぼえた長女も早速実践。

という感じで、ここからは再び、ひとりで作業を進めていくことになりました。

自閉症スペクトラム|長女のこだわり発揮ポイント

先生から教えて頂いた技術を駆使し、自分の感覚に従い作業を進めていった長女。

散らかり放題

ちなみに長女は、何でもこうしてパズルのように はめていく という特徴があります。

パズルのようにものを配置する特性は、お弁当つくりでも発揮しています!

長女が作ったお弁当

話を戻して1日後・・・

とこんな感じで、作品はあっという間に出来上がっていきました。

軽く触れておきますが、額のフレームは、本人がアクリル絵の具で着色しました。

右上に映り込んでいるのが、着色された額のフレーム

そして。

作品の質感がより感じられるよう、あえて額にはアクリル板を付けませんでした。

こうして振り返ってみると、実にあっという間のように感じられますが、実際には、本人の緻密な試行錯誤が詰まっています。

作品の完成である『できあがりのピリオド』を打ったとき、長女の全身は達成感で満たされていたように見えました。

もりー
もりー

終わりを決めるのも、簡単なことではないよね。

作品の梱包作業

さて。

出来上がった作品ですが、ここからは親のひと仕事です。

梱包担当:夫

▼購入した梱包材

  • ビッグサイズのプチプチ1枚
  • お店に置いてあった中で1番大きなダンボール板

▼完成バージョン

 

作品|出展当日と我が家のリビングにて

5月11日土曜日。

晴れ渡る空のもと、車に乗ってド田舎から、私たち家族は東京へ出かけていきました。

道中、サービスエリアで普段は食べないようなものを食べたり、人生初のスカイツリーを堪能したり、私たちは東京観光を楽しみました。

そしていよいよ午後の1時。

東京スカイツリー|ソラマチ イベントスペース634にて

たくさんの素晴らしい作品のなかに、長女が作った素朴な作品も、立派に展示していただきました。

そしてなんとこの日。

お世話になっているアートの先生も足を運んで下さって、長女と我々家族に、お祝いのプレゼントまで手渡して下さいました。(涙)

それがすごく美しいお菓子でびっくり・・・!

長女から一口ずついただく

ここでアートの先生から頂いたメッセージの一節をご紹介します。

今回の展示会、本当におめでとうございます!

アートの世界で展示の初日は特別な日で、アーティストは正装をして親類や知人たちと一緒に楽しんだりする習慣があります。

日本でも海外でも。

ましてや初めての展示会がスカイツリーの会場だなんて凄いことですよ!

そんなお祝いを込めてお口に合えば幸いです。

アートの先生から頂いたメッセージ

というわけで、こんなにも素晴らしいご縁を頂けていることにも、改めて感謝を噛みしめた1日となりました。

我が家のリビングにて

作品は現在、リビングに飾ってあります。

ほこりが気になるので、アクリル板を装着しました。

イベントスタッフの方が作って下さったハリパネもしっかりと頂いてきたので、それも一緒に飾ってあります。

名札みたいなのをハリパネというらしい

このハリパネには不思議なほど、作品を引き立てるチカラがあります。。

さいごに

長女にとっても私にとっても、ひいては家族全体にとっても、節目となる大きなイベントになったことは間違いありません。

娘たちは毎日ホームエデュケーションをしているので、もしかすると外から見たら、

何もしないで家にこもっている子ども (と母親)

に見えるかもしれません。

しかし、実際はそうではありません。

水面下で娘たちは着実に成長をし、自分たちの足で自分たちの道を歩み始めています。

親は親で、娘たちにとって大事なことは逃さないように注意を払いながらも、自分の人生をしっかりと歩んでいます。(つもりです)

日頃は感じ取れないようなこんなことを、改めてしっかりと感じ取れることができたイベントに、心より感謝しています。

お世話になったイベント関係者の皆さま、それから、当日のギャラリーでご一緒させて頂きました皆さま、心よりありとうございました。

もりー
もりー

それではみなさまごきげんよう!