経験を奪わない|自閉症スペクトラム姉妹の誕生日ケーキ製作から学ぶ、母親の立ち位置

記事内に含まれている広告では、私が実際に使ってみて良かったものをご紹介させて頂いております。

自閉症スペクトラム姉妹|パパの誕生日ケーキ製作大作戦

3月はパパの誕生日だった もりー家では、娘たちが主体的にケーキ作りを行いました。

というわけで今回は、

  • ASD姉妹たちのケーキ作りにおける計画からケーキ作りの様子まで
  • 母である私の立ち位置、介入の仕方やタイミング

などについて書いていこうと思います!

いつになっても悩ましい母親のサポートですが、今回は比較的うまく行った事例だと我ながら感じています。

この記事が少しでも、どなたかのヒントになりましたら幸いです。

 

ASD姉妹たちの念入りな計画と事前準備

お菓子作りが大好きな姉妹たち。

パパのお誕生日のずいぶん前からデコレーションケーキを作る計画を始めました。

娘たちはお菓子作りと同じくらい、計画をしたり、事前準備を楽しみます。

具体的には、

という感じ。

もりー
もりー

なかなか念入りです!

姉妹たちの間で、計画は1ヶ月ほど前からスタートしていた様子。

この時点だとまだ、

母親の出番はほとんどありません。

とはいえ、娘たちのなかで疑問が発生したりすると、私に聞きに来ます。

たとえば、

  • このケーキはどう思う?
  • バター30グラムって書いてあるけど、うちにあるので足りるかな?
  • ケーキを食べる日を✘✘日にしたいんだけれど、ケーキを作る日はいつが1番良いかな?

ってな具合に。

こんな娘たちの様子を見ていて思うことは、

娘たちにとって計画や事前準備は、理想が膨らむ時間なのだろう

と強く強く感じるのです。

だから私は、

もりー
もりー

それは難しすぎると思う

などと言うタイミングには注意するようにしています。

もし言うのだとしたら、

ケーキの相談をもちかけてくる初歩の段階

です。

加えて、「難しすぎると思う」とだけ言って終わりにするのではなく、

過去の失敗を振り返ってみたりしながら一緒に考えます。

それでも本人たちが挑戦したいと思うのであれば、失敗するかもしれないリスクも一緒に確認して、チャレンジしてみたら?と背中を押すようにしています。

ケーキのスポンジ製作|実体験を通して得た失敗から成功への道 

2日間に分けて誕生日ケーキを作った娘たち。

ここからは、失敗から成功への道のりをたどって書いていきます!

母のスタンス|失敗経験を織り込むことと水平思考

スポンジから手作りするということだったので、

前日にスポンジを焼くこと

を、私は強めに提案しました。

なぜなら、私自身がスポンジ作りで何度も失敗した経験があったからです。

もりー
もりー

つまり、失敗を大前提としたスケジューリングにしたということだよ!

それに加えて『スポンジは前日に焼くといい』という情報もたくさん見かけます。

2つのことを踏まえたうえで、姉妹たちは前日にスポンジを焼くことにしました。

失敗もコミコミのプランだったので、前日のスポンジ作りに私は完全にノータッチ!

姉妹たちの試行錯誤に介入することは、一切ありませんでした。

そして結果は・・・・

スポンジがペッシャンコ。

私たちは3人で、食卓に座りました。

テーブルの真ん中には、しぼんでずっしりと重たいスポンジを置いて。

そして私はスポンジの端っこを、ちょっとちぎって食べてみました。

ふわふわはしていないけれど、味は美味しいから、使えないのは勿体ないな・・・

と考えました。

2人の娘たちも同時に、私のマネをして、ちょことちぎって味見。

そうしているうちにスポンジは、全体的に小さくなりました。

それを見ながら私は、

もりー
もりー

そうだ!これを使って2段ケーキにしたら良いのでは?

とひらめき、娘たちに提案をしました。

それは良いね!

と娘たち。

ここが、失敗から成功への道をひらいた分岐点でした。

私の頭の片隅にいつもあるのが、水平思考です。

私が実践している水平思考とは、

予想外の展開などに遭遇した際、あらゆることにとらわれず、どうにか解決できる方法はないか?と思考を巡らせてみたり、視点をズラしてみたりするという方法です。

私がこれを学んだきっかけは犬のトレーニングからでしたが、日常のあらゆる場面で応用可能です。

気になる方はぜひ一度、調べてみられると良いかもしれません!

 

失敗からの大成功|母の介入ポイントと、ASD姉妹が作ったケーキのスポンジ

パパの誕生日当日。

姉妹たちは2度目のスポンジ焼きにとりかかりました。

1度目と違い2度目は、私も少しだけ介入してみることにしました。

なぜなら、

どこが良くなかったのかを分析できていなければ、再び同じ結果を招くことがわかっていたから

です。

まず私がとった行動をざっくりと書いてみます。

  • レシピ本を読み上げてもらう
  • 作業に入る前に確認をする
  • 濡れているボウルを使わないように忠告する
  • レシピ本とずれている部分を一緒に探して、どうしたらうまくいくのかを再確認する
  • 作業の途中で確認

基本的には見守りもしませんが、要所要所でちょこちょこと上記のような介入をしつつ、無事にできあがることを祈りました。

作業の途中
娘たちにとってむつかしい、メレンゲの完成ポイント

そして、無事に大成功

成功した2度目のスポンジ

失敗ポイントを私も一緒に探し、そして本人たちが気づくことで、2回目はとてもうまくいきました。

娘たち自身が

どうりで1回目はうまくいかなかったはずだ

という実感と納得感を得られることで、2回目の成功は、より達成感のある経験となったのではないかと思われます。

見守ることは大切だけれど、

必要に応じて介入した方が良いのか

もしくは

まったく介入しない方が良いのか

そこを見極めることもまた、見守りの一環だと私は考えています。

 

失敗と経験がつまったASD姉妹のデコレーションケーキ

スポンジ製作でたくさんの小さな経験を獲得した娘たち。

彼女たちがもっとも楽しみにしていたのは、デコレーションのお時間です!

デコレーションでは私はまったく介入しませんでしたが、2人で喧嘩することもなく、大成功のデコレーションケーキが出来上がりました。

難度が高めの生クリームの泡立てナッペも、無事にクリア。

そして。

本当だったら『絞り』の作業も楽しみにしてた姉妹たちでしたが、その時になって、絞り袋も口金もないことに気づいてしまったのでした。

昔の娘たちだったら明らかに、パニックに陥っていた状況でした。。

しかし今回は冷静に対処!

ないなら ないなりに

ということで、スムーズに乗り越えました。

もりー<br>
もりー

大げさと思われるかもしれませんが、ASD姉妹たちにとっては大成長なのです

。泣

クライマックスは、フライングタイガーで買っておいたキャンドルに火を灯しました!

そして、手作りケーキは甘さ控えめで、とっても美味しかったです♡

 

まとめ

今回の経験から、私が改めて学んだことを2つ挙げてみようと思います。

失敗は成功の因/禍を転じて福と為す

失敗をしたときや、なにかの災難が自分の身にふりかかったとき、

次に自分はどんな行動に出たら良いか?

と考えるクセをつけておくことは大事なことだと思います。

「あーあ、失敗しっちゃた」

「○○のせいで自分はこんなことになってしまった」

という感じで思考停止してしまったら、何の進歩もないことは自明の理です。

生きているとどうしても避けられないのが、失敗や災難。

それらに見舞われながらも幸福な人生を歩み続けるにはやはり、それなりの努力は必要不可欠だと思います。

がっかりしてしまうような出来事に遭遇したときは、

ひとまず素直にがっかりする。

この過程も非常に大切だと思います。

問題はそのあと!

水平思考を利用して、視野をひろ~~~~くしてみることで、思わぬひらめきが舞い降りてくることは珍しくありません。

子どもたちと一緒にそんな過程を楽しむこともまた、私にとっては子育ての醍醐味でもあります。

もちろんうまくいくことばかりではありません。

それでもまずは親(おとな)である私が率先して、ささやかな楽しみや発見を見出す喜びを味わっていたいと思います。

 

おとなが勝手に子どもの理想を奪うな!

子どもが何かに挑戦する際、子どもの脳内で何らかの理想の完成形を描いていると思われるとき。

大人が注意しなくてはならないことがあると、私は思っています。

それは、

  • そんなのは難しくてできないよ
  • きっと失敗するよ
  • 本の通りにできるわけないでしょ?

などという、嫌味なことを言ったり態度をとったりすることです。

偉そうにこんなことを書いている私ですが、

かつての私自身がやってしまい、何度も後悔したことがあります。

だから今はものすごく注意しています。

おとなの嫌味な言葉や態度は、子どもたちの理想をあっさりと奪いとり、チャレンジしたい気持ちをどんどん奪いとることになってしまいます。

「やってみないとわからない」というのは自明之理であることはもちろんのことですが

描ける理想があるからこそ、人は挑戦ができるのだと私は思っているのです。

子どもにとっての現実は、その後の自分の経験の中でつかみとって行ったら良いのです。

というよりも、きっとその方が良いと思っています。

ひとりのおとなが知っていることや経験は、たかが知れているはず。

狭い常識や価値観で子どもを囲い込むことは避けたいと、私は思っています。(自戒を込めて)

というわけで、最後までお読みくださりありがとうございました!

もりー
もりー

それではみなさまごきげんよう♪